からくり金太郎怒涛の張り手型香炉
人は何故全てのものに意味を求めたがるのか。
あの「くいだおれ太郎」こそ、我々に「無意味の意味」とは
何なのかを教えてくれているように思えます。
立派な人々が知恵を絞り作りだした、様々な施設が巨額の赤字を
生み出す一方で、くいだおれ太郎の経済効果は年間十数億円に
上ると言われています。めでたくも馬鹿馬鹿しい、理性を超越した赤白ストライプの服に身を包み、背中に背負った太鼓を打ち鳴らす
その姿は、かに道楽のカニのように、店のメインメニューを
指し示す機能もなく、何を食って食い倒れるのか我々に黙して
語らずその雄雄しい姿とは裏腹に店の売り上げにはほとんど貢献
していない・・・なんと高潔な人形でありましょうか。
さて、この金太郎型をした香炉に何の意味があるかと言えば、
これ以上のものでもこれ以下のものでもありません。
ただ、世の中の進歩や発展にひとつも寄与しないものが
何かしらあったほうが、人のためになるのではないでしょうか。